POINT
- 通信速度の基礎知識
- 本当に必要な通信速度の目安
「格安SIMは通信速度が遅い」と思っていませんか。
確かに、デメリットとして通信速度はよく挙げられますが、決して遅いというわけではありません。
また、そのデメリットを理解するためには、スマホを使う際にどれくらいの速度が必要なのかを知ることが重要です。
この記事では、格安SIMを利用する上で知っておきたい基礎知識や、本当に必要な通信速度の目安を解説します。
あなたの使い方によっては、通信速度よりも料金を重視して選んだ方が結果としてお得になる可能性も。
正しい知識を身につけて、スマホ代をしっかり節約していきましょう!
この記事の目次
通信速度の基礎知識
格安SIMをはじめ、通信会社はウェブサイトなどで利用できる通信速度を公表しています。
この際に表記されるのが、下り1Mbpsなどの単位。
聞きなれない単位ですが、どのような意味でどの程度の速さなのか。上り下りとはどのような意味なのか。
基礎用語を理解することからはじめましょう。
通信速度の単位MbpsとKbpsとは
Mbps(メガビーピーエス)とKbps(キロビーピーエス)は、通信速度を表す際に用いられる単位のことで、1秒間に送受信可能なデータ量を表しています。
数値が大きいほど通信速度は速く、KbpsよりもMbpsの方が速いことを意味しています。
これでは漠然としてよくわからないと思いますので、具体的に計算してみようと思います。
Mbpsの数値を8で割った値が1秒間に送受信できるデータ量となります。
たとえば・・・
受信75Mbps・送信最大25Mbpsの場合
受信最大75Mbpsとは
→ 9MB分のデータを1秒間に受信できる (75÷8=9.375)
送信最大25Mbpsとは
→ 3MB分のデータを1秒間に送信できる (25÷8=3.125)
具体的に何MB利用できるかわかると、速度の速い・遅いが判断しやすくなりますね。
上り・下りとは?
また、速度を上り・下りと表現している場合があります。
これは送受信のことを表しており、上りはデータを送信する速度(アップロード)、下りはデータを受信する速度(ダウンロード)を表しています。
上り
データを送信する速度
- メールの送信
- データのアップロード
など
下り
データを受信する速度
- ウェブサイトの閲覧
- アプリのダウンロード
- 動画視聴
など
人が遅いと感じるのは下り(受信)速度
例を挙げた通り、一般的に私たちが遅いとストレスを感じるのは、データ受信時の速度ではないでしょうか。
たとえば、以下のような時イライラしてしまったことはありませんか。
- ページの読み込みが遅くてイライラする
- YouTubeの動画が途中で止まる
そのため、通信速度を見る時は下り速度を重視することをおすすめします。
通信速度は不安定
重視すべきは下り速度であることがわかりましたが、もうひとつ知っておくべきなのは通信速度は一定ではないと言うことです。
これは、格安SIMだけではなく三大キャリアでも言えることです。
通信速度は大勢の人が一斉にデータ通信を行う等、外的要因によって大きく左右されます。
三大キャリアではそう極端に遅くなるようなことは起こりませんが、格安SIMではこの現象が顕著であることを理解しておくことが大切です。
具体的には朝・昼・夕などの通勤通学や昼休みなど、多くの人がスマホを利用する時間帯は通信速度が落ち込むことを理解しましょう。
特に昼(12〜13時)の速度低下は顕著で、下り1MBps出ていれば良い方なのが実情です。
公表されている通信速度を信じてはいけない
各種通信サービスはベストエフォート型を取っています。
ベストエフォートとは、利用する場所や状況で通信速度や品質が変化するサービス形態のことを言います。
先ほど例に挙げたように、多くの人が利用する時間帯に速度低下が起こるのはこのためです。
通信会社が発表している通信速度というのは、理論上の最高速度です。
そのため、実際に使う場所や時間帯などの要因によって、実際に利用できる速度(実効速度)は変動します。
特に格安SIMはその差が大きいので、公表されている通信速度が出ることはまずないと考えておいた方が良いでしょう。
ここがポイント
通信速度は実効速度を確認しよう
格安SIMの本当の通信速度の目安を知りたい場合は、実効速度(実際に使える速度)を確認することが確実です。
実効速度は各社発表していないため、Twitterや当サイトのような実際に利用して計測された数値を見ることが一番です。
また、モバイル専門のマーケティングリサーチ機関であるMMD研究所などでは季節ごとに各社の通信速度を公表しているので、これらを参考にするのもおすすめです。
同じ回線でも速度は異なる
格安SIMは三大キャリアから回線をレンタルして運営しています。
そのため、どの事業者もドコモ回線・au回線・ソフトバンク回線のいずれかを契約することになります。
一見「同じドコモ回線ならどこの格安SIMを契約しても速度は同じ」と思いがちですが、通信速度は各社によって異なります。
貸出元は同じであっても、契約している帯域や事業者の設備によって変わってくるからです。
実効速度は各事業者ごとに確認しましょう。
適切な通信速度を知ろう
ここからは、実際にスマホを使う際に必要な通信速度の目安をみていきましょう。
自分に最適な通信速度を理解しよう
まずはじめに「どれくらいの速度であればストレスなく使えるのか」を知るためには、自分にあった通信速度を理解することが大切です。
一例を挙げると、以下は2018年にauが実際に計測した実効速度です。
- 上り通信速度(平均):22Mbps
- 下り通信速度(平均):106Mbps
※東京都渋谷区宇田川町 付近 (1)の14時台の通信速度です。引用:au実効速度について
下り106Mbpsと、とても速い速度が出ていることがわかりますね。
しかし、あなたが実際に使用した場合、必ずしもこの速度が出ているとは限らないということは、先ほど述べた通りです。
また、ほとんどの方は下り106Mbpsも出ていなくとも快適にスマホを使うことができます。
自分にあった通信速度を知るために、まずは自分が今使っている通信速度はどれくらいなのかを計測してみましょう。
通信速度の計測は、アプリで簡単に行えます。
上記は、当サイトが利用している速度計測アプリですが、この他にも同様のアプリはたくさんあるので、ご自身にあったものを探して計測してみてください。
【アプリ別】通信速度の目安
自分が今使っている通信速度がわかったら、次は普段利用しているアプリやサービスを快適に使うために、どれくらいの通信速度が必要なのかを理解しましょう。
ここからは一般的に利用するアプリケーション・サービス別に目安となる通信速度を紹介します。
LINEやメール利用時の速度目安
- 通信速度の目安:200Kbps
LINEやメールなどのテキストの送受信は、通信速度が遅くても利用できます。
たとえば、三大キャリアで通信制限がかかった場合の速度は128Kbps程度です。
通信制限を経験したことがある方は、速度制限時でもLINEのやりとりは利用できていたのではないでしょうか。
このことから、LINEやメール程度しか利用しない方は、通信速度にそこまでこだわらなくても問題がないことがわかります。
インターネット閲覧時の速度目安
- 通信速度の目安:1Mbps
当サイトのようなウェブサイト、Yahoo!ニュースなどのテキストと画像が混在したものの閲覧は、そのサイトの内容によっても変化します。
最低でも1Mbpsあれば問題なく閲覧可能といえるでしょう。
ここがポイント
SNSの通信速度目安
主要SNSもTwitter・Facebookは、テキストメインのため通信速度が遅くても利用ができます。
一方、InstagramやTIK TOKは動画や画像メインのコンテンツとなるため、1Mbps以上ないとストレスを感じるでしょう。
SNSをよく利用する方はどの時間でも最低1Mbps以上出ている格安SIMを選ぶといいですよ。
YouTubeなどの動画視聴時の速度目安
私たちがスマホを使う中で、もっとも通信速度や容量を必要とするものが動画視聴です。
YouTubeやNetFlixなどが挙げられますが、これらは視聴する画質(解像度)によって快適に視聴できる通信速度が異なります。
一例までに、YouTubeが推奨している速度は以下の通りです。
動画の解像度 | 推奨速度 |
4K | 20 Mbps |
HD 1080p | 5 Mbps |
HD 720p | 2.5 Mbps |
SD 480p | 1.1 Mbps |
SD 360p | 0.7 Mbps |
このことから、「4K視聴にこだわりたい」方以外は、5Mbps程度出ていれば快適に動画視聴できると考えて良いでしょう。
余裕を持って10Mbpsくらいあると理想的ですね。
ここがポイント
10Mbps出ていればARゲームも快適に遊べる
ポケモンGOを代表とするARを利用したゲームは、特に通信速度や容量を消費するゲームです。
これらのゲームも通信速度が下り10Mbpsあれば、快適に遊ぶことができると言えます。
実際に当サイトが速度低下時間にプレイした結果を姉妹サイトで紹介しています。
1Mbps以下の場合は心もとないですが、3Mbps程度であれば問題なく遊べると言えます。
適切な通信速度の目安
以上のことから、スマホを利用する上で、快適に使える通信速度の目安は最低でも下り3Mbpsは必要であると言えます。
3Mbps出ていれば、LINEはもちろんインターネットの閲覧も行えますし、YouTubeの動画もHD 720pで視聴可能です。
これに加えて、より鮮明な動画を視聴したい等の希望がある場合は、5〜10Mbps出ている格安SIMを選ぶことが望ましいでしょう。
通信速度の目安
- 下り3Mbps以上
- 動画をきれいに観たい場合:5Mbps以上
本当に必要な通信速度は実はそんなに速くない
これまでに挙げた例から、実際に私たちがスマホを利用する際に必要な通信速度は「100Mbpsも必要ない」と言えます。
実際はその1/10程度でも快適に利用することが可能です。
特に、「動画視聴はWiFi環境下でしか観ない」方などは、10Mbpsですら必要がないと言えますね。
通信速度を重視すればするほど、利用料金は高くなります。
スマホ代節約の近道は、適切な自身の使い方を理解し、適切な通信速度の格安SIMを選ぶことだと言えます。
この記事のまとめ
- Mbpsは通信速度の単位
- 上りは送信時の速度、下りは受信時の速度で、重視すべきは下りの通信速度
- 通信速度は一定ではなく、実効速度を確認しよう
- 通信速度は最低でも下り3Mbps、10Mbps出ていると動画も快適に視聴できる